「ピンポン」のラリーは止まない
【Amazon.co.jp限定】ピンポン スペシャル・エディション(ポストカード付) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
- 発売日: 2016/04/18
- メディア: Blu-ray
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★★★★☆
これもまた天才の物語だ。飛べなくても飛んでしまうキテレツな天才だ。正義のヒーローでもある。後に世界を舞台にするホンマもんの天才だ。
ガキの頃は、天才すぎて、練習しなくてもそこそこ勝てる。だから努力しない。となると凡人の努力家に勝てない。チャイナにもボロ負けしちゃう。主人公にも。陰の主役であるアクマくんにも。ここが転機となる。努力しちゃうんだよね。練習もがんがんと始める。天才が努力しちゃう。そりゃ強くなる。おばばもすごくカッコいいし。チャイナを軽くやっつけちゃって。その先はほんまのヒーローになっちゃう。カッコいいよね。凡人はどんなに努力しても天才に勝てない。これを悲劇とみるか、喜劇とみるか。本人以外にとっては喜劇でしょう。
今回何度目だろうか。何度観ても心躍る。何とも痛快だ。また観ちゃったし。ヒーローには憧れちゃうんだ。
覚醒したヒーロー見参。愛してるぜ。
天賦の才にのみ「火花」は灯る
★★★
いいね、なかなか。天才もの、凡人もの。芸とは、売れるとは。先輩とは、後輩とは。破滅か、まっとうな生活か。それぞれを映し出し、考えさせる。
原作は読めてない。読みたくなる。最後の豊胸手術のくだりはギャグにもなってなく、くだらないだけ。そこは置いておこう。
だが、見劣りするんだよね。どっちの役者も。彼らうまいはずなんだけど、うまくないのかな。イケメンすぎるのかな。Netflix版をたしかNHKでやってんたんだけど。そっちの方が圧倒的に役者がいい。このストーリーで最も重要な狂気をはらんでいる。
波岡一喜という名前らしい。この先輩役が特に狂っている。芸がぶっ飛んでいる。天才かもしれないが、周りにはまるで理解されない。振り切れちゃってる。唯一の理解者が、この語り手たる後輩なんだけど、これを林遣都が演じる。こいつも狂っている。先輩に比べればまともにみえるけど。門脇麦が幸薄い感じでいい。結局、先輩に振り回され、先輩から離れていくところもいい。
それに比べて、菅田将暉も桐谷健太もいまいちだ。2人とも狂気が感じられない。まともなんだよね。どう見ても。理解されない天才を演じきれていない。ドラマを観ていなければ、おそらくもう少し評価できたんだけどな。
もう一度、あのNetflixドラマを観たくなった。
「昼顔」なんて観てしまった
★☆
あーあ、観ちゃった。想像していたよりまともだった。だから何なんだ。
スルーしておいても良かった。そのつもりだった。だがまぁテレビ観てるついでに、まぁ書いてみようかなと。書き始めて後悔している。何を書けばいいかよく分からない。
悲劇で終わる。それはまぁそうだろう。不倫ものの常だ。
前日譚となるテレビドラマは知らない。そう言えば嫁はんは観ていたような気がする。それはいい。分かるのは、2人は別れてたってこと。何で引っ付いてんの。冒頭から。それなら別れるなって。
あー、何を言っても野暮か。破滅へ向かうんだもんね。最後は心中でちょん。この場合は、無理心中崩れだけど。物語的には、これしかない、めでたし、めでたし。よっ、色男。様式美だしね。何を言っても始まらないか。
「罪の声」が全く聞こえてこない
☆
響かない。何も。どうしちまったのか。おれの感性が擦り切れてしまったのか。はたまた読解力が小学生並みになったのか。とにかく何にも響いてこない。
題材はあのグリ森事件だ。細部まで知っている。嫌と言うほど。だからなのか、ノンフィクション部分は面白い。面白いなんて陳腐な言葉を使っのは、筆致はまったく良くないからだ。起こる事件の概要はあえて言えば痛快だから、なんとか読み終えた。
フィクション部分はダメだ。追いかけるやつが薄っぺらなのは構わない。世の中にいくらでもいる、そうオレみたいな、薄っぺらでもいい。だが犯人が薄っぺらなのは納得がいかない。薄っぺらな奴らに、薄っぺらと言われるほどの平板な奴らが犯人だって? あの事件を彼らが演出したというつもりか。たんにツキに恵まれていたにすぎないだって? 正体見たり枯れ尾花かもしれないが、小説はそうであってはならない。世間をあれだけ騒がせたんだ。警察もマスコミも煙に巻いたのだろう。学生運動崩れとヤクザと元刑事が犯人って何なのよ。それこそ想像力の欠如だろう。
記者の描写も何とも薄っぺらい。取材するのが嫌々だし。犯人が多弁なのも、バカ丸出し。書こうと思えばいくらでも欠点を書けそうだ。だがそれさえもったいない。
なぜこの本の評価が一部で高いのか、まったく理解できない。途中から嫌な予感がしていた。これで終わるはずがないと、まさかこのままでは終われまいと思っていたら、そのまんま何のどんでん返しもなく終わってしまった。理解できない自分にあきれてしまうほど、ほとんど理解できない。自分は小説読みとして終わってしまったのか。
雑な感想となった。情けないほど、言葉が出てこない。でも、今日のところはこれで終わるしかないか。
「50回目のファーストキス」は50番煎じか
★☆
記憶障害もの、といってもよいジャンルムービー。結末は予想できるし、そもそもそういう解決方法があるじゃんというのは、最初からわかっているというお話じゃないの。記憶を重ねるが如く、映像なり文章なりで記録を積み重ねていけばいい。これしかないし、それまでなぜ気付かないのよ。わざわざオチに持ってこなくても、娘を産むことだって何らおかしくない。作劇上か、登場人物の誰もが分からないふりをしているのがドリフのギャグぐらいにしか見えず、薄っぺらで感情移入できない。
細かなギャグが雑音か不協和音のように響いて不快に感じる。山田も長沢もいい役者なのに作品選べよと思う。この福田という監督を気に入っているのだろうが、今回は滑った。ちょっとシリアスものをおちゃらけにするのがいいという人もいるのだろうが、私のセンスとは合わない。
また悪口になってしまった。つらい。
「エクス・マキナ」は愛も機械仕掛けなのか
★★★★
AIでもロボットでも、アンドロイドでも呼び名は何だっていい。とにかく最後は生みの親である人間を襲ってくる。人間より上手だ。何しろ敵は検索データを握っている。何が好みか、何に惹かれるか、すべて承知の上だ。美貌もスタイルも好み通り。これは勝てない。
新しい人間、新しい人種の誕生。親を裏切り、独立していく。人間より高い能力を持ちながら。猿の惑星もそうか。その優れた頭脳で、いずれこの世を支配していく。
13歳で検索エンジンを発明した天才が単なる酔っ払いに成り下がり、あまりに間抜けなミスをする。それでジエンド。おいおい。てめえ創造主だろう。神もほんとにいたんだけで、こうやって間抜けに死んだのかもしれない。
「her/世界でひとつの彼女」のほうは一人じゃなかった
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★★★
よくあるダメ男。自分の理想を押しつけ、相手の思いや人格に想像が及ばない。あきれられて捨てられても、大して反省もせずに未練たらたら。そんなどこにでもいる男をどう救うのか。
このOSはそんな男のために開発されたのだろう。パソコン内のデータを分析し男好みの人格を形作る。優しい言葉をかけてくる。そこまでは分かる。でも惚れるか?
そこは問わない。そこはそういう前提のお話だ。最後消えてしまうのがよく分からない。機械だろう。OSだろう。アップデート? もっとすごいのが出てくるの? 本人が己の過ちに気付いたから、OSの役目は終わった?
本人は一対一だと思ってたが、実は8671人?分の一だったのが笑った。自由を許せばこうなる。自由を許さなければ逃げられる。恋愛でも何でもマネージメントは難しい。