書きたいように書こうぜ

絶賛、ネタバレ中。本とか映画とか。

「鎌倉ものがたり」は平安の世から続く

 

★★

  CGで彩られた映像なんかには驚かない。どうだすごいだろうと言わんばかりで、むしろ雑音のように感じる。

 メインのストーリーはあるものの、短編を組み合わせた感じだ。継ぎ接ぎ部分が見えてしまい齟齬を消せていない。全体の世界観がバラバラなのだ。化け物がいても構わない。それが幽霊でも問題ない。化け物と人間がどのように共存しているのかちっとも分からない。

 夫婦の愛の物語とかいう、照れくさい物語を何ら恥じらいもなく見せてしまう。しかも平安の世から平成の世まで、生まれ変わっては結ばれるなんて、笑いを呼ぶしかない。前世の記憶もないのに、どうなってるの。このプロットならもっと感動的な物語を紡げるはずだ。それなのに、貧乏神の茶碗に助けられて、めでたしめでたし。何じゃそれ。平安時代から振られ続ける怪獣?のほうがよほど可哀想だろう。

 両親の物語も説明なしで不明。そこまでややこしくする必要はないだろう。ここはうまく主人公の人生と重ねるべきだった。妻と子供を残して死んでいったカエルの人生はどうなってるんだ。世界観の中での整合性が保てていないので、モヤモヤだけが残る。