ギャグ映画「哀しき獣」
★★★☆
これはギャグ映画として見るのが正しいのか。
ある種の底辺ものである。悲惨な現実も描いている。でもリアリティーは感じない。笑えてしまうのだ。
何度刺されても死なないおっさんがいい味を出している。腹の出具合がいい。凶器が骨なのも笑える。何より漫画的な強さがいい。最後の死に方も決まっている。
巻き込まれ型の悲劇、思ってもみずに追われる立場になる。でも後戻りはできない。追うものと追われるもの。逃走劇が延々と続く。
女はいつもしたたかだし。男は繊細だし。
でも、こんな日本映画はないな。ノワールと言えるものがない。日本映画だと、もっと現実味がないのだ。そういう意味では韓国映画恐るべしである。